チワワの主な遺伝性疾患のリスト


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水頭症

脳の中にある脳室というわずかな隙間に水がたまり、ここが拡張して脳が圧迫される病気でおそらく先天的な要因が 関与していると思われる子犬によくみられる病気です。マルチーズ・ヨークシャーテリア・イングリッシュブルドッグ・チワワ・ラサアプソ・ポメラニアン・ト イプードル・ケアンテリア・ボストンテリア・パグ・ペキニーズでは他の犬種より発生が多い。多くが子犬の時にみつかっています。全く症状を示さないもの・ 頭を壁に押しつけるもの・姿勢の異常・無目的に歩き回る・眼が見えないなえどの神経症状を示すものもあります。症状を示さないものではしつけトレーニング がうまく行かないなどで気づかれることもあるようです。診断は特徴的な症状、レントゲン検査、CTスキャンで行われます。脳炎があるかどうかは脳脊髄液の 検査で調べます。症状のないものでは治療は必要ありません。症状のあるものでは薬物療法で脳脊髄液を少なくしたり、あるいは手術によって脳脊髄液を他に流 す処置を行うこともできます。

眼の病気

欧米ではブリーディングに用いる犬は年に一度眼の専門的検査を受けることが求められています。輸入犬の場合はその証明書を確認してください。眼の遺伝性疾患には次のようなものがあります。

・網膜異形成
失明に至ります。遺伝性であると考えられています。子犬の時に発症する犬もいますが、キャリアーの場合は、子犬が発症するまでわかりません。

・白内障
白内障には多くの原因があり、様々なタイプがありますが、若年性白内障は遺伝性疾患もしくは糖尿病などの内科的病気が原因であったりします。

・眼瞼内反症および外反症
こ れは目蓋が内へ巻き込む、あるいは外に巻き込むもので、眼の炎症や痛みの原因となります。原因には、生まれつきのもの、外傷、その他の眼の病気の結果とし て出て来るものなどがあります。また、放置しておいても治らないものと一時的になるものがあり、年齢は関係ありません。 生まれつきの場合、眼が開くまで はわかりませんが、その後兄弟と比較すると常に涙で目の周りが濡れているといった症状で、発見されます。
股関節および関節の異常

ほとんどの犬種で様々な関節疾患が見られます。小型犬だから股関節形成不全はありえないとは言えません。チワワには膝蓋骨脱臼はよくみられます。

・股関節形成不全
股 関節の発育が正常についてゆけないことにより起こる異常で、発育途上にみられる場合と、成犬で慢性的にみられるものがあります。遺伝性の疾患と考えられて います。幼犬では急に歩行困難になったり階段歩行ができなくなったりします。しかし1歳齢までに外見上治ってしまったようにみえることも多いようです。一 見治ったようにみえても歩くときに頭が下がっているのは前肢で体重を支えている証拠で、またぎくしゃくした歩様であったり、左右の歩幅が違っていたりしま す。成犬にみられるものも若いときからの異常を引き継いでいるものと考えられますが、筋肉が十分関節をサポートしている時には症状はでなかったものがある とき跛行や痛みを示すようになります。股関節に異常がないことを確認するためにはレントゲン撮影をして、専門家に診断してもらうことが必要です。アメリカ のOFAという機関では、レントゲン写真の診断と、正常な犬の登録、証明書の発行を行っています。

離断性骨軟骨炎(OCD)
こ の疾患は主に肩、肘、膝、踵の関節に発症します。この疾患が起こると関節が腫れ、痛みのために跛行をします。関節の可動域は減少するのが身体検査で明らか です。この疾患は複数の関節に同時発症することがよくあります。ブリーディングにおいて問題となるのは肘に生じるものです。(肘異形成とも呼ばれます)肘 関節の骨の変化や骨の遊離によって、痛みや前肢のびっこの原因となります。この病気もレントゲン撮影で診断され、股関節と同様OFAでは診断と登録、証明 書の発行を行っています。

・膝蓋骨脱臼
これは膝のお皿が内側や外側に脱臼して(溝から外れて)歩行困難などの運動障 害に加え、悪い方の後肢がねじれてしまう状態で、多くはトイ種・ミニチュア種・超大型犬種に遺伝的に起こる内側への脱臼です。重症の場合手術か必要となる こともあります。軽症の場合は生活に支障はないかもしれませんが、遺伝的なものですからブリーディングに用いるべきではありません。

関節疾患の中には遺伝性ではないものもありますが、仮にそうであってもそのような犬を妊娠させるということは犬の体に多大な負担をかけることになります。関節疾患だけでなく、健康状態が万全でない犬は妊娠させるべきではありません。

・その他

・ 様々な犬種で遺伝性の心臓疾患があります。心臓の中に穴があいていたり、太い血管が胎生期にあった血管の名残でつながっていたりして動脈血と静脈血が混 ざってしまう疾患や、大動脈が心臓から出て行く部分が狭くなっていたりするものがあります。若い動物では手術で治す必要がありますが、正確な診断がついて も手術自体が困難なもので心臓血管の専門医に紹介してもらうのがベストでしょう。定期的に経験ある獣医師に聴診してもらい異常がないか確認しましょう。ア メリカでは、遺伝性心臓疾患が問題となっている犬種においては心臓専門医による公的な診断書を取得することが常識となっています。輸入犬の場合は確認して ください。

・てんかんやアレルギー体質、その犬種にふさわしくない性格を持つ犬もブリーディングすべきではありません。

遺伝性疾患の検査はメスだけではなく交配するオスについても検査されるべきです。また、ブリーディングする犬だけではなく血統書記載より以前に遡って先祖犬のことなど調べられるだけのことを調べてください。


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